ミツエさんは、牡丹を届けた次の朝にお風呂場でなくなっていた。
1つめの花しか見る事なく。
ちょうど1年前から津波で被害を受けたお宅の手伝いをはじめた。
床板はがして、壁はがして、泥出して、引越しの荷物運んで、掃除して…
リフォームが済んですっかりキレイになった家に、私達も感動した。
それからは私達ボランティアにトイレを貸してくれて、
その度に「上がらい」「お茶っこ飲まい」と言ってくれた。
庭に植えていた芍薬や牡丹も流されてしまいがっかりしていたミツエさんに、
私はどうしても牡丹をプレゼントしたかった。
山形の植木市で買った牡丹を届けた、まさに次の日だった。
仕事を休めて届けに行けた事、初めて頭を下げてお礼を言われた事、
髪を切ってキレイにしていた事、ナルセ夫妻も来ていた事…
今となると全てが必然だったように感じる。
「またござい」って言ったのに。
幸せな気分で雲の上に行ったのだといい。
東松島の大好きなおばあちゃん。
ミツエさんのいれた濃い抹茶入りのお茶は本当に美味しかった。
私は自分のおばあちゃんにできなかった事をしていたのかもしれない。
9つも咲いた満開の牡丹は、旅立ちを見送り役目を終えたかのように散りはじめていた。

- 2012.05.22 Tuesday
- 日々
- 21:13
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- by 早坂あかり
















